カニ先生の生物基礎_第4講「単細胞生物と多細胞生物」
受験生のみなさま、かに先生です!
本日は、生物基礎_第4講「多細胞生物と生物の階層」について授業を進めていきます。
[目次]
単細胞生物
からだが一つの細胞からなる生物を単細胞生物といいます。大腸菌や乳酸菌などの原核細胞である細菌や、真核生物の酵母菌やゾウリムシ、アメーバーなどが代表例です。単一の細胞からなるため、ゾウリムシのように特殊な細胞小器官が発達しているものもいます。
多細胞生物
多数の分化した細胞からなる生物を多細胞生物といいます。細胞が分化しているというのは、人間であれば皮膚の細胞と内臓の細胞などのように、各々の細胞がそれぞれ別の機能を持ち、お互いの持ち場ではたらいているということを指します。同じ機能を持った細胞が集まって組織を作り、組織が集まって器官が形成されます。そして互いの器官同士が協力し合い、1個体を形成しているのです。
1個体をうちの家族で例えると、母ちゃんは朝食を作り、父ちゃんは朝のゴミ出し、わたしは植木の水やりをするみたいに、お互い仕事を分担して生活しているっていう感じか。
分かりやすくて、いい例えだと思いますよ、ウサ子くん。
すごい!ウサ子ちゃん!
ふふ、決まったな。
まあまあだな。
単細胞生物と異なる点は、個々の細胞にばらすと、その細胞は生活することができません。役割を細分化してしまったために、個々の細胞1個で生活することはできなくなってしまったとも言えます。例えば、あなたから腕を切り取るとしましょう。その腕は腕だけで生きていくことができず、しばらくすると腐ってしまいます。
このように生物のからだが、細胞→組織→器官→個体という段階を持つことを生物の階層性といます。
単細胞生物から多細胞生物へ
少し込み入った話になりますが、多細胞の原核生物はいません。この内容の深い理解は、生物基礎のみを学習している人には不要ですが、理解しておいて損のない内容です。
生物は、まず単細胞の原核生物が起源と言われています。やがて、単細胞の真核生物へと進化する生物が登場します。そして、単細胞の真核生物が共同体を作り、やがて多細胞の真核生物へと進化していきます。したがって、多細胞の原核生物は存在しないと言われています。
まあ、巨大な細菌(多細胞の原核生物)がいたら怖いしな。そんな感じで覚えおけばいいか。
細胞内共生説だな、僕はすでに学習済みだ。
なんだそれ。
ウサ子くん、細胞内共生説についてはこれから学習するから大丈夫。
一つ一つ丁寧に学習していこうね。
お預けってやつか。
次回の授業も楽しみだね♪
まとめ
- 多細胞の原核生物はいない。すべての原核生物は単細胞生物である。
- 多数の分化した細胞からなる生物を多細胞生物という。
- 同じ機能を持った細胞が集まって組織を作り、組織が集まって器官が形成され、器官が集まって、1個体となる。これを生物の階層性という。