カニ先生の生物基礎_第3講「細胞の種類と構造」
受験生のみなさま、かに先生です!
本日は、生物基礎_第3講「細胞の種類と構造」について授業を進めていきます。
本授業では、真核細胞と原核細胞が登場しますが、果たしてカニ先生は真核細胞なんでしょうか、それとも原核細胞なんでしょうか?
[目次]
細胞の種類
細胞は、大きく分けて核を持つ真核細胞と、
核を持たない原核細胞の2種類に分かれます。
私たちの遺伝子の本体であるDNAがひも状に連なったものを染色体と言います。
この染色体が、核膜に覆われているものを核と言います。
真核生物は、染色体が核膜に覆われた状態で細胞の中に存在していますが、
原核生物は、染色体が細胞膜に覆われず、むき出しの状態で細胞の中に存在しています。
真核細胞は、染色体が核膜の中に凝縮された状態で存在していますが、
原核細胞は核膜がないので、染色体が細胞の中でぐちゃぐちゃっとむき出しの状態になっていますね。
原核細胞
原核細胞からなる生物を原核生物と言います。
原核細胞は、外側が細胞膜、さらには細胞壁で覆われ、その表面には、短くてふさふさと毛のように生えている突起である繊毛(せんもう)と、長くにょろっと伸びた鞭毛(べんもう)があります。その内部は、細胞質基質と呼ばれる液体で満たされいます。注目すべきポイントは、遺伝子の本体であるDNAがむき出しの状態で存在しているということです。
真核細胞
真核細胞からなる生物を真核生物と言います。
原核生物以外の生物は、すべて真核生物です。カニ先生は真核生物の節足動物に該当するので、カニ先生の細胞は真核細胞ということになります。
でも先生って見た目細菌っぽくないですか?
どう見ても見た目カニじゃないですよね。
私は、細菌じゃない....カニです、ぶくぶくぶく...
真核細胞に共通する構造
全体像
遺伝子の本体であるDNAがヒストンというタンパク質と結合して、細くひも状になったものを染色体と言います。真核生物では、この染色体が膜に覆われた核の内部に存在しています。外側は細胞膜に覆われ、内部は細胞質基質と呼ばれる液体で満たされいます。また真核生物には、原核生物にはない様々な機能を持つ細胞小器官が存在します。
ミトコンドリア
有機物を燃焼し、ATPを合成することで、エネルギーを作り出す細胞小器官。
有機物を燃焼し、ATPを合成することで、エネルギーを作り出す。このことを生物学的に呼吸と言います。
先生、その前にATPってなんすか?
ウサ子ちゃん、生物はATPっていう物質をエネルギーに利用しているって最初の授業で話してたよ。
ATPを合成することで、エネルギーを作り出すって何のこっちゃ分からん。
ウサ子くん、いい質問だね。ATPという物質が何のかは、この後の章で学習するから、とりあえず今はATPはエネルギーって思ってもらって大丈夫だよ。
はーい、先生!
まあ、とりあえず、先に進むか。
細胞膜
細胞の表面にある、リン脂質の二重層からなる膜で、厚さはおよそ10nm程度。
動物細胞と植物細胞の違い
葉緑体
植物細胞にのみ含まれる。クロロフィルという色素を持ち、光合成により、光のエネルギーと二酸化炭素からATPを合成し、そのATPを用いて有機物を合成する細胞小器官
光のエネルギーと二酸化炭素からATPを合成し、そのATPを用いて有機物を合成する。このことを光合成と言います。
細胞壁
植物細胞にのみ含まれる。細胞の保護や形態維持の役割を持つ。
液胞
不要物の分解や貯蔵、浸透圧の調節、植物細胞は色素としてアントシアンなどを含む。
植物細胞で発達した構造が見られる。
動物細胞にも液胞はありますので、正誤問題などにある「液胞は植物細胞にのみ含まれる」は誤りです。
こういう問題めんどくさいな。
ウサ子くんのいう通り、確かにややっこしいよね。でもこういうところが差が付くところだからしっかりと学習しておこう。
はーい、先生!
真核細胞と原核細胞の違い
原核細胞と真核生物の違いは、大きく2つ存在します。
少し難しいかもしれませんが、染色体が核膜に覆われていないと核を持っていないは同じ意味になります。
えーそうなの?日本語って難しいなあ。
生物の問題は、正誤問題のような言葉の定義に関する問題がたくさん出てきます。細かいところだけど、こう言う言葉の部分をしっかり教科書を読んで勉強しておくと、テストで役に立つんだよ。
分かりました〜教科書しっかり読んで勉強します!
まとめ
- 細胞は大きく分けると、原核細胞と真核細胞の2種類に分かれる。
- 原核細胞は、染色体がむき出しになっており、表面には細胞膜だけでなく、細胞壁がある。
- 原核細胞は真核細胞と異なり、核をもっておらず(=染色体が核膜に覆われていない)、ミトコンドリアや葉緑体などのほとんどの細胞小器官をもっていない。
- 植物細胞と動物細胞の違いは、植物細胞は細胞壁、葉緑体を持ち、発達した液胞があるということ。